
スーパーラグビーの試合(第3節「ブルーズvハイランダーズ」)において、TMOの結果トライ目前のパスがスローフォワードであるとしてブルーズのトライが取り消しになりました。
しかしながら、その後NZ協会のレフリー・マネージャ、ブライス・ローレンス氏がその判定は正しくなかったことを認めました。
同氏はコメントの中で「パスは合法的だった、なぜならば、ボールは(パッサーの)両手から後ろに投げられたから。ボールは相当の距離を前方に進んだが、そのことはレフリーもTMOも見るべきことではなかった(the pass was legal, because it went back out of the hands. Although it travelled forward some distance, that's not what the referee and TMO should have been looking at)」と言い、ボールがプレーヤーの手によって後方に投げられた(両腕が後方に向かった)後、そのボールが前方に進んだことは「スローフォワード(前方に投げる)」とは無関係であると、現行の定義を再確認することになりました。
ローレンス氏の解説映像(写真)を見ると、確かにパスされたボール自体はかなり前方に進んでいます(黄線)が、パッサーがボールパスする際に両腕が後方へ向かっていることも確認できます(桃丸)。
このように、スピードのあるボールキャリアーがロングパスをするほどボール自体は前方に進むことになりますが、この点は「慣性の法則」の結果であり、ボールキャリアーがボールを「前方に(フォワード)投げた(スロー)」からではありません。
「スローフォワード」に関しては、投げた地点とその後のボールの動きをもって判断する人も一部にいますが、ラグビーのスローフォワードとはあくまで定義の通りである点を理解する必要があるでしょう。
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[定義]
スローフォワード(Throw forward):プレーヤーが前方にボールを投げるか、または、パスする、すなわち、プレーヤーが両腕でボールを前へパスすることをいう。
Throw forward: When a player throws or passes the ball forward i.e. if the arms of the player passing the ball move forward.