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《プロップの両足が浮いたのは、単なる偶然か? 故意なのか?》

 

2019トップリーグカップ R1パナ(青)v日野(赤)

センターラインから右に約5mの地点でパナ(青)ボールスクラム。ボール投入後、青は前進すると、直後に赤3番の両足が宙に浮きます。それでも笛はならず前進が続き、赤3番の姿勢はかなり危険な状態に。

5m以上前進しハーフウェイラインを超えたあたりでようやく笛が鳴り、レフリーは「もう一回」と言い、スクラムアゲインとします(反則は無し)。

ルール上、スクラムにおける危険なプレーとして【相手を故意に持ち上げて宙に浮かせる】ならばペナルティとなりますが、この場合は反則ではないのでしょうか? 

一方で、反則であるか否か以前に【スクラムの中にいるプレーヤーが持ち上げられた…場合、レフリーはただちに笛を吹き、他のプレーヤー達が押すのを止めなければならない(must blow the whistle immediately)】としています。

今回の場合、赤3の両足が宙に浮いて5mほど移動するまで放置されていたわけですが、なぜレフリーは“ただちに”笛を吹かなかったのか? また、押している側(特に青1番)は、相手が宙に浮いていることに気づかなかったのか? 仮に気づいていながら相手をさらに押し上げていたとしなら、その行為は「故意」であったといえるでしょう。

幸い、負傷者は出なかったようですが、危険の伴うスクラムについては、正しいルールの知識と合わせて、安全に対する配慮が必要のはずです。

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上)ボール投入後、まもなく赤3の両足が浮き(黄丸)、背中が曲がった危険な姿勢(赤丸)に。

 *この時点でまだハーフウェイが画面に映らず。

中)その後ハーフウェイラインを超え約5m移動するもレフリーは放任(緑丸)。赤3の姿勢はますます危険な状態に(赤丸)。

下)5m以上移動した後にようやくレフリーは笛を吹く(緑丸)。

仮に赤3の足が浮いた直後に笛を吹けば、安全確保のためにスクラムアゲインと言えますが、5m以上押し続けながら、相手が浮いていることに気づかなかったというのはかなり不自然と言えるでしょう。
レフリーとしては、ルール以前に、まずはプレーヤーたちの安全を確保すべきです。

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スクラム開始の位置はここ。ここから5m以上危険な状態なスクラムが続きました。