NEC(緑)ゴール前でリコー(黒)ボールのスクラム。ボール投入後、スクラムは大きくホイールし、あっという間に90度を超えます(黄線)。
本来であれば【スクラムが90度以上回転し、中心線がタッチラインに平行な位置を越えてしまった(The scrum is wheeled through more than 90 degrees, so the middle line has passed beyond a position parallel to the touchline)】はレフリーがプレーを止めてスクラムを組み直すことになりますが(反則がなかった場合)、ここではレフリーはただ見ているだけでプレーを継続させます。
そのためスクラムの中央線は90度から135度を超え(赤線)フロントローが次々と地面に倒れますが(赤丸)、スクラムが180度以上回って完全に崩壊した段階で、レフリーは「ボールイズアウト」とコール。慌てた黒8(桃丸)がボールを拾い、間近にいた緑7(青丸)がタックルしてそのままプレーを継続されることになりました。
ここでレフリーが一度も笛を吹かなかったということは①「スクラムが90度以上回転した」とは認めていない、②「スクラムコラプシングの反則」はいずれにもなかった、③「スクラムが崩れたが特に危険ではない」と認識しているということになります。
一方で、仮にそうであったとしても(そうであるからこそ?)、ボールを拾った黒8(桃丸)をタックルした緑7(青丸)は早い段階でスクラムを離れており、この位置から黒8をタックルすればオフサイドの反則となるはずですが、レフリーは反則もアドバンテージも適用せずにプレーを継続させました(緑丸)。