明治(紫)ボールのスクラム。前進する紫1がそのまま立ち上がるようにして相手の水3を大きく宙に浮かせます(赤丸・上)。
が、レフリーは反則ではなく(緑丸・上)スクラムアゲインとします。
次のスクラム(青四角)でも、紫1が上方に力をかけ(黄矢印)相手の水3の両足が宙に浮きます(赤丸・上)が、その後レフリーは明治側のアドバンテージとしてプレーを継続、最終的に筑波のスクラムの反則となりました。
さて、ここでの明治の行為は許されるのでしょうか?
スクラムでの「危険なプレー」の反則のうちの一つには以下があります。
【相手を故意に持ち上げて宙に浮かせる、または、スクラムから押し上げて出す。】
(Intentionally lifting an opponent off their feet or forcing them upwards out of the scrum.)
他に、スクラムで【プレーヤーは…地面と平行になら、押してよい(罰:ペナルティ)】とされており、上方に押すことは許されていません。
今回の場面はルール以前にかなり危険な状態に見えますが、仮にこの現象が「故意に持ち上げて宙に浮かせる」ではなく偶発的に持ちあがってしまっただけとレフリーが判断したのならば、ペナルティではなくスクラムアゲインとなるのかもしれません。
もしそうであるならば、レフリーは明治側に相手を浮かせないようにと注意をすべき場面だと言えるでしょう。
実際、テレビの解説者も「ここで明治が気を付けたいのは、上につきあげに行くスクラムを組むと、逆に(反則を)取られますからね。危険にプレーになりますからね」と解説しており、そういった旨の注意は必要だと思われます。
しかしながら二度目のスクラムでも前回同様、紫1が相手の水3を上方に押し上げていますが、反則となったのは逆に筑波(水)側となってしまいました。
その反則の理由はなんであったのか? 一度目はともかく、二度目も相手が浮いたことも問題はないのか? プレーヤーの安全確保を考えれば疑問が残る場面でした。
ちなみに、本来ではれば以下の場合はアドバンテージが適用してはならないとしています。
【スクラムの中にいるプレーヤーが宙に浮いて、または、上に押し出されて、地面に足がついていない状態の場合】