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《イエローカードに値する「故意にノックオン」だったのか?》

2021トップリーグ 東芝(赤)vサントリー(黄)

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ボールキャリアーのサントリー(黄)13が相手にタックルされた直後の場面(桃丸)で、赤14にイエローカードが出ます(緑丸)。

レフリーはその理由を「ボールを叩きにいっている」「インテンショナルノックオン」としますが、はたしてこの場面で赤14による「ノックオン」は起こりえるのでしょうか? 

映像を見ると、確かに黄13が後方へパスしようとしたボール(水色)に対して黒14が右手(青丸)を出していますが、その手のひらは自陣側を向いており、しかも腕の動きが相手陣側から自陣側へ向かっています(右手は最後に黄13の顔に触れる)。

つまり、赤14の右手が画面上右から左に動く(青矢印)のに対し、ボールはその反対に左から右に大きく動いており、赤14が【故意にボールを前にノック】したとうのは不自然であると言えます。

赤14が手を使いボールを後方へ叩くこと(ノックバック)は正当なプレーであり、イエローカードどころかペナルティでもありません。

ちなみに、この場面でタックルは成立していますが、オフサイドラインは発生していないため赤14がボールに対して働きかけることも正当なプレーです。

もちろん最終的には判断はレフリーによりますが、この場面は、赤14が【故意にボールを前にノック】したとは物理的にも考えにくい場面であり、イエローカードを出すには値しない場面でありました。

(実際には赤14が自陣側に正当ノックバックしたボールを黄13が改めて自陣側に弾いたと思われる)

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ノックオン

プレーヤーは、手や腕を使って故意にボールを前にノックしてはならない。罰:ペナルティ

A player must not intentionally knock the ball forward with hand or arm. Sanction : Penalty.

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なお、同試合で、黄10が相手のボールを片手でパスカットしようとして前方に落とす行為をペナルティとしているが(カードは提示されていない)、その際レフリーは「デリバリートノックオン」と言っており、先の赤14に対しては「インテンショナルノックオン」と違う言葉を使っている。

その違いはどこからくるのかは不明である。