ホンダ（黒）ボールのスクラム。ボール投入後、スクラムからボールがこぼれ出ます。それに対しクボタ（赤）９が飛び出しボールを取ろうとするも、レフリーは赤９のオフサイドとして反則の笛を吹きます（緑丸）。
映像を見ると、ボール（青丸）は赤いスパイクを履いた黒６番の右足によってかき出されています（写真２～３枚目：青丸と青線）。
ルール上【スクラムが終了するのは…ボールが、スクラムからトンネル以外のいずれかの方向に出た場合（When the ball comes out of the scrum in any direction except the tunnel.）】とされているため、この時点でスクラムは終了となります（ボールがロックの横から出ても、フランカーはそのボールを拾ってプレーを継続することができる）。
よって、ボールに働きかけようとする赤９のオフサイドの反則は成り立ちません。むしろボールを取ろうとする赤９を邪魔している黒９の行為（黄丸）の方がオブストラクションの疑いがあります。
仮に、レフリーがボールが黒６によってかき出されたということに気づかなかったとしても、赤９が飛び出したのは、ボールがスクラムの最後尾＝黒８の踵（黄線）から出た後であることも明白であり（写真４枚目）、この点だけを見ても赤９のオフサイドの反則は成り立ちません。
もちろん、レフリーにも見えない場面や間違いはありますが、確証がなく反則の疑いがあるだけで反則の笛を吹くとプレーヤーの信頼を大きく失いかねないので注意が必要です。