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《スローフォワードか否かは、パッサーの腕の方向と走る方向がポイント》

2020トップリーグ サントリー(黄)vNTTコム(青)

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《スローフォワードか否かは、パッサーの腕の方向と走る方向がポイント》

2020トップリーグ サントリー(黄)vNTTコム(青)

Nコムゴール前のラックからのサントリーのアタック場面で、黄9からラックサイドに控えるFW陣にパス。ボールは黄2から黄1へとつながり大きく前進します。そのパスがスローフォワードのように見えますが、レフリーは笛を吹かずにそのままプレーオンとなりました。

さて、スローフォワードか否かは状況によって難しい場面がありますが、ここでは以下2点に注目してみましょう。

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①パッサーの腕の方向

スローフォワードの定義には以下のようにあります。

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スローフォワード(Throw forward):プレーヤーが前方にボールを投げるか、または、パスする、すなわち、ボールをパスするプレーヤーの両腕が前方へ動いていることをいう。

Throw forward: When a player throws or passes the ball forward, i.e. if the arms of the player passing the ball move forward.

映像を見ると、黄2の【両腕が前方へ動いている】ように見えます(赤丸)。

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パッサーの走る方向

黄9からボールを受ける黄2(桃丸)は、ラックサイドに動かずに立って待っています(これは戦術のひとつ)。

黄2は、ボールを受ける時点で前方へ大きく走ることはなく、斜め前方に少し出た後、横に移動しながらボールをパスします。

そのことによって、ボールに対しては前方への「慣性の法則」がほとんど働いていなと言えます。

そのため、黄2より前方でボールを受けた黄1のパスは、スローフォワードであると思われます。

※仮に、黄2(桃丸)と黄1(青丸)が同じ方向(前方)に速度をつけて走っていたなら、黄2のパスするボールに「慣性の法則」が働き、パスされたボールは前方へと進むことになりますが、その場合はボールを前方に投げたわけではないのでスローフォワードには当たりません。