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《ノックオンの疑いなどない、明確なトライだったのか?》

2021トップリーグ NTTコム(青)vホンダ(黒)

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ホンダ(黒)ゴール前のラックからNTTコム(青)の9番SHが抜けだしてトライ。レフリーは目の前でその場面を見ていた(緑丸)からか、TMOにはかけずにそのままトライとなりました。

 

しかしながら、スロー映像を見るとトライ直前にノックオンが起きているように見えます。

TMOとは【インゴール内でのボールのグラウンディング】等の【状況を明確にするため】に利用されるものです。逆に言えば、TMOを利用しなくても「グラウンディング(トライ)の状況は明確である」とレフリーが判断したならばTMOを利用する必要はありません。

 

映像を見ると、青9は前腕と上腕でボールを抑えているように見えます(ラインに達しているかは不明)。確かにルール上【ボールを、片手か両手、または、片腕か両腕…を使って押さえる】ことができればトライは認められることになっていますが、これはあくまでボールがインゴール内で転がっている場合のこと。

ボールキャリアであれば【ボールを抱え(holding it)、インゴール内で地面につける】必要があります。はたして青9は「ボールを抱えていた」と言えるでしょうか? 

 

一方でノックオンに関してはどうでしょうか? 

ノックオンとは【プレーヤーがボールを落としボールが前方へ進む】ということですが、ここでの「落とす」とは「loses possession(保持しているものを失う)ということ。

映像を見ると、グラウンディングの直前のボールに相手の左腕が当たり、ボールは青9の手の平から離れはじめ(黄丸)、グラウンディング時(赤丸)には、明らかに手の平から離れています。

手にしていたボールが、相手の力によって手から離れて地面に落ちた場合でも「ボールを保持している」と言えるのか? 

 

最終判断はレフリーに委ねられるということは当然としても、TMOを利用する必要のないほどに明確なトライである(ノックオンではない)と言えるのかは疑問が残る場面でした。