《危険なプレーか否かの世界的な判断基準とは?》
2020トップリーグ サントリー(黄)vNTTコム(青)
黄12が青10に対するタックル場面。
青10は激しく後方に倒れますが、レフリーは笛を吹かずにプレーが継続します。が、それを見ていた青8がレフリーにアピールし、その後レフリーは笛を吹き、危険なプレーであるか否かをTMOに確認を依頼します。TMO、レフリーはスロー映像を確認しますが、結果は問題ないということでペナルティは一切無し。
その後(なぜか)「レフリーボール」と言い黄ボールのスクラムで再開します。
(通常「レフリーボール」とはレフリーにボールが当たりプレーが妨げられた場合にスクラムから再開するものですが、この場面を見るとボールは一切レフリーには触れていません)
危険であるか否かの判断は、最終的にレフリーまたはTMOが決めることながら、現在WRではその判定に極力ブレがないように判定基準のためのガイドラインを公開しています。
そこで、今回の場面をそのガイドラインの該当する部分に照らし合わせてみます。
今回の確認すべき点は以下となります――。
①ショルダーチャージであるか否か?(赤丸)
【ショルダーチャージの定義
タックラーの肩がボールキャリアと接触した際、その腕がタックラーの体の後方にある…。
Arm of the shoulder making contact with the ball carrier is behind the tackler’s body ….】
②腕の動きは危険かどうか?(桃丸)
●高い危険度を示す例(接触前)
・タックラーが接触の直前に腕を引く
・タックラーの腕が接触の直前に前方に振られる
・Tackler draws the arm back prior to contact
・Arm swings forward prior to contact
③接触時のボールキャリアの頭の動きはどうか?(黄丸)
【頭が動くとは、…身体に接触したタックル/ショルダーチャージの場合は頭部が前方へ移動すること。
Note: the head’s first movement is …forward in a ‘body-contact’ tackle or ‘body-contact’ shoulder charge】
④正当なタックル、バインドがされているか?(緑丸)
【終了時の確認:
タックラーはタックルを完了させているか(途中で腕を引いたり、相手を放したりしていないか)。
Tackler completes the tackle (as opposed to immediate release/withdrawal)】
さて、これらのガイドラインに照らしてみたら、今回の場合はどう判断されるべきでしょうか?
青10が地面に倒れたままだが、プレーを継続させるレフリー。それに対ししきりにアピールをする青8。
本来、こういった行為も許されていないが、その後レフリーは「レフリーボール」としてプレーを止め、TMOに確認を依頼する。
結果、問題はないとして「レフリーボール」でスクラム再開。