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ラインアウトの「ナンバース」の数とは誰の数?

 

2020トップリーグ 神戸(赤)vサントリー(黄)

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ラインアウトの「ナンバース」の数とは誰の数?

2020トップリーグ 神戸(赤)vサントリー(黄)

サントリー(黄)ボールのラインアウトから、神戸(赤)の反則となりアドバンテージを適用、その後ノーアドバンテージとしてサントリーにFKが与えられます。

その際、レフリーは反則理由を「ナンバース」と言います。「ナンバース」とは、ラインアウトに並ぶ「ラインアウトプレーヤー」が、ボールを投入する側(ここでは黄)より、相手側(ここでは赤)が多い場合の反則となります。

しかしながら、ここでは両チームの「ラインアウトプレーヤー」の人数はともに7名ずつで同数(青線2本)。ボールを投入するプレーヤーに対するプレーヤーも同数(水色丸)となっており、反則にはあたりません。

但し、この場面を見ると黄側のレシーバーが不在(黄四角)。一方の赤側には1名います(桃丸)。

そしてここでは、レフリーが赤側のレシーバー(桃丸)に後方に下がるように指示しており、下がらなかったとしてアドバンテージを適用(緑丸)。その後、黄側がボールをこぼした後にノーアドバンテージとして笛を吹きます(モールコラプシング等の反則は無し)。

さて、ここでのレフリーのルール理解は正しいのでしょうか? 

『競技規則』には【一方のチームがレシーバーを用いることにした場合(If a team elects to have a receiver)…各チームが置いてよいレシーバーは1名である】とあります。

つまり、レシーバーはチームの判断によって置いても置かなくても可(スロワーに対するプレーヤーは置かなければならない)。

一方、「ナンバース」の反則となる場合は【ボールを投入しなかった側のチームは、ボールを投入する側のチームより多くの人数のプレーヤーをラインアウトに並ばせることはできない(より少ない人数になるのはよい)】とうことになり、反則となるのはあくまで「ラインアウトに一列に並」人数が対象です。

よって、この場面では黄側のレシーバーがいなくても赤側がレシーバーを置くことはでき、反則には当たりません。

(なお、ここでのレシーバーの位置にいる赤16はフッカーですが、スクラムハーフの赤9はスロワー側の位置にいるため、ポジションを交換しただけで問題はありません)

※ちなみにレフリーは赤16を反則としてアドバンテージを適用していますが、赤16はボールに触れるどころかモールにも参加しておらず、両チームの利益、不利益には無関係かと思われます。

※なお、この場面でFKを得たサントリー(黄)は、クイックタップから連続攻撃をしかけ、トライを得ることになりました。

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FKを得たサントリー(黄)は、クイックタップから連続攻撃の末、トライを得る。
(FKの後、神戸(赤)選手が反則理由を聞くと、レフリーは「ナンバース」とコールする)