サイトへ戻る

《ノックオンの後に、オフサイドプレーヤーがボールをプレーすればペナルティとなる》

2021トップリーグ トヨタ(白)v東芝(赤)

broken image

白21(SH:赤丸)からボールを受けた白11(青丸)が、相手につかまれ体勢を崩してボールを前方に大きくノックオン(黄丸)。そのボールを、白11(青丸)の前方のオフサイドポジションにいた白21番(赤丸)が拾って前進。

この場面で、レフリーは笛を吹き単なるノックオンの判定としました(スクラムのみ/写真下参照)。

 

さて、この場面で白21のオフサイドは問われないでしょうか? 

現行の条文には以下のようにあります。

 

======

1.オープンプレーでは、ボールを持っている、または、最後にプレーした味方の前方にいるプレーヤーはオフサイドである。オフサイドのプレーヤーは、プレーを妨げてはならない。これには、以下を含む:

a. ボールをプレーする

1.A player is offside in open play if that player is in front of a team-mate who is carrying the ball or who last played it. An offside player must not interfere with play. This includes :

a. Playing the ball.

======

 

実は、以前は「ノックオンオフサイド」として以下の条文がありましたが、現在は割愛されています。

=====

<旧条文>

11.7 ノックオン後のオフサイド

プレーヤーがノックオンしたボールを、オフサイドの位置にある味方のプレーヤーがプレーしたとき、そのプレーで相手側から利益を奪った場合にはオフサイドの罰を科す。罰:ペナルティキック】

======

 

割愛された理由は、「ノックオンオフサイド」であれ、その他の一般のプレーでのオフサイドであれ、反則となる理由はまったく同じだからです。

 

ノックオンしたとは、ボールを【最後にプレーした(last played it】ということであり、現象としてキックでボールを前方に蹴ったと同じことになります(この場面を白11のキックと置き換えればわかりやすいはず)。

キックであれノックオンであれ、仮にその後オフサイドポジションにいるプレーヤーが何もしなければ罰せられることはありませんが、条文に【ボールをプレーする(Playing the ball】ことによって相手の【プレーを妨げてはならない(must not interfere with play】とあるように、相手より先にボールを拾えば無条件にペナルティとなります(アドバンテージ適用時は除く)。

この場面を見ると、ボールを拾った白21の他、それを追う白20、白21(桃丸)もまたオフサイドポジションであることは明白です。

キックされたボールをキッカーの前方で拾い相手のプレーを妨げれば必ずペナルティとなるように、この場面も白21はオフサイドとしてペナルティとすべきでした。

(*仮に旧条文だけに照らしたとしても、【そのプレーで相手側から利益を奪った場合】に値するはずです)