サイトへ戻る

2つのスクラムでの反則の違いはどこに?

2020関東大学対抗戦 慶應(黄)v筑波(青)

broken image

2つのスクラムでの反則の違いはどこに?

2020関東大学対抗戦 慶應(黄)v筑波(青)

 

●筑波(青)ゴール前での慶應(黄)ボールの5mスクラム(写真左列)。

前進する黄スクラムに対し青のスクラムがホイールして崩れ、レフリーはアドバンテージから青の反則に。

PKを得た黄はスクラムを選択します。

 

●そして2度目のスクラム(写真右列)。

こちらも黄がボールを保持したまま前進し、前回と同様にスクラムがホイールするも、今度は逆に黄の反則になりました。

 

映像では、明らかに黄側が前進して優勢であるとように見えます。しかも2つのスクラムはいずれも黄1番側が前進してのホイール。

最初のスクラムが、青側が負けて青の反則となるのはわかりますが、2度目の反則は逆に黄側となったのはなぜでしょう? 

この後のレフリーのシグナルを見ると、黄1番が故意に前進して崩したと示しているように見えますが(但し実際には崩れていない)、通常このスクラム位置で黄1が前進して故意にホイールさせることは考えられません。なぜなら、黄側のバックスラインは右側にあるからです(逆に青側からすれば1番を前にして=3番が引いてホイールしたいはず)。

 

もちろん、黄側がその常識を無視して故意にスクラムをホイールさせ崩したというのであれば反則理由とはなりえますが、ここでは黄側が故意にスクラムをホイールさせたとは考えにくく、実際に崩れてもいません。

ルールに従うならば、通常【スクラムが90度以上回転し、中心線がタッチラインに平行な位置を越えてしまった】場合は【レフリーがプレーを止めてスクラムを組み直す】ことになりますが、レフリーは黄の反則としています(理由は故意にスクラムをホイールさせて崩した?)。

 

そうであるならば、ほぼ同じ状況であった最初のスクラムが青の反則となったのは何故なのか? 2つのスクラムの反則の違いがどこにあるのか疑問が残る場面でした。

broken image

慶應(黄)ボールのスクラムの位置はここ。
黄1が前に出てスクラムをホイールさせれば、ディフェンス側・筑波(青)の6番、8番が前に出ることになり、アタックをする上では不利になるため、”故意に”ホイールさせたとは考えにくいはず。
また、通常スクラムを押し合えばルースヘッド側の1番が互いに前進することとなるため、故意ではなく偶発的にホイールしたと考える方が妥当。
実際、最初のスクラムも同様の理由からホイールしながら黄側が前進していた。