サイトへ戻る

《ノットロールアウェイの影響をどう見るのか?》

2020トップリーグ 東芝(赤)vNTTドコモ(黒)

broken image

《ノットロールアウェイの影響をどう見てるのか?》

2020トップリーグ 東芝(赤)vNTTドコモ(黒)

 

ドコモが自陣22m付近かた一気に相手陣22m付近までゲイン。パスされ地面に転がったボールを拾ったドコモ・黒14(水色)にを、東芝・赤12(黄)が掴みにかかります。その地点でラックができ、最終的にボールは黒側に出ました。

 

が、この場面をよく見ると、赤12が相手側に倒れ込み、倒れながらボールをプレーしています(赤丸)。その際、レフリーは「No No!! twelve!(12番)」と叫び、黒12にプレーさせないようにします(緑丸)。直後ドコモ側からは「(ノット)ロールアウェイ! ロールアウェイ!」と反則であるとアピールし、中には邪魔な黒12の足を引っ張るプレーヤーもいます(桃丸)が、レフリーは「Ball is available(ボールは使える、出せる)」と言いながら反則とはせず、その場でボールが出るのを待っていました。

(*相手陣側から相手の足を引っ張る行為も許されることではないが、この点も反則となることはなかった)

 

確かにゲームの流れを重視するベテランレフリーであれば、プレーヤーに積極的に声をかけながら反則を防止し、単なる現象だけでは反則の笛を吹かないようにようと努めながらプレーヤーとうまくコミュニケーションをとります。

しかしながら、この場面では赤12のプレーは、ドコモ・黒にとってはボールを出すタイミングを遅らせているものであり、明らかにゲームの流れには影響を与えていると言えるでしょう。

実際、赤14と黒12が絡んだ時点からボールがドコモ・黒側にボール出るまでに約7秒経過しており(黄四角参照)、その間に東芝・黒側のディフェンスラインは完全に揃っています。

たかが数秒かもしれませんが、ラグビー、特にトップレベルのゲームではその1秒、2秒が勝負の分かれ目になる場合が多くあり、チームはその前提で練習をしているはず。積極的に声をかけながら反則の笛をなるべく吹かないというのはレフリーの役割のひとつではありますが、実際のゲームへの影響を理解することが必要だと思われます。

 

―――――

※なお、赤12はこの直前にボールを持っていない相手黒9を弾き飛ばしており(「ノーボールタックル」に相当)、その後倒れているボールキャリア―黒14の首に対してプレーしていうるように見えます(「ボールを持ち倒れているプレーヤーへのプレーの禁止」、および「危険なプレー」に相当)が、レフリー、ARともこの点に関しても“流して”いました。

broken image

赤12(黄丸)が、黒9(青丸)を弾き飛ばし、さらに倒れている黒14の首に腕を絡ませているように見える(赤丸)が、この場面でも笛が鳴ることは一切なかった。