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《タックルの成立だけでは、オフサイドラインは発生しない》

2021トップリーグ 東芝(青)vホンダ(黒)

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東芝(青)ゴール前に迫るボールキャリアーのホンダ(黒)3を青22(桃丸)がタックル。その後ボール(緑丸)を黒21(SH)が拾いあげると、直後、黒21は後方から追っていた青23(黄丸)からタックルされます。

それを見たレフリーは「オフサイド」としてアドバンテージの手を上げ(黄緑丸)、ホンダ(黒)はキックパスからトライに。

そしてレフリーはトライを認めた後に青23に対しイエローカードを出しシンビンとします。

さて、青23はシンビンに相当するような反則を犯しているのでしょうか? 

(アドバンテージがオーバーした後にオフサイドに対してイエローカードを出す点についての疑問はここでは割愛)

この場面、青23は黒21を後方からタックルしているため、“オフサイドのように”見えますが、実際にはタックル自体は成立したものの、ボールはタックル地点がすぐに離れている=黒23が拾っているため、タックル時のオフサイドラインは発生していないのです(当然ラックも成立していない)。

(*例えばタックル直後にタックルされたプレーヤーがボールをポップして味方にパスすれば、そのボールキャリアーに対しては、相手側は360度どの方向からタックルしてもかまわない=オフサイドラインはない)

現在のルールでは【タックルでは、少なくとも1名のプレーヤーが地面にあるボールの上をまたいで立っているときにオフサイドラインが形成される(Offside lines are created at a tackle when at least one player is on their feet and over the ball, whch is on the ground.)<図参照>】とされているため、青23はオフサイドにはなりえないのです(*このルールができる前は、タックル後にラックが形成されるまではオフサイドラインは発生しなかった)。

つまり、青23のタックルは現行ルールに照らしてみても、シンビンどころかペナルティにもならない正当なプレーだったと言えます。

◆また一方で、仮にこのタックル時にオフサイドラインが発生していたとしても、黒21は青23にタックルされた直後にノックオンをしているため(写真左下紫丸)、アドバンテージは適用されないはずでした(Aがノックオン、その後Bがノックオンとなれば、アドバンテージは適用されない)。

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ちなみに、この黒3のゴール前に迫るラインブレイクのきっかけとなったパス(黒15・黄丸から黒3・桃丸へのパス)は明らかにスローフォワードだったが、笛が鳴ることはなくそのままプレーは継続された。

(パッサー黒15は立ち止ったままパスをしており、一切慣性の法則は当てはまらず、その両腕も前方に向いている)