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《スローフォワードの定義とは?》

2019大学選手権 早稲田(赤)v明治(青)

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《スローフォワードの定義とは?》

2019大学選手権 早稲田(赤)v明治(青)

明治陣でラインアウトを得た早稲田が、直後のスタンドオフのパスを受けたセンターがインゴールに飛び込みこの日2本目のトライとなります。

ここて注目すべきは、赤10から赤13へのパス。すなわちスローフォワードへあるか否かです。

映像で確認できるのは、赤10のパスをした地点(青丸)に対し、ボールを受けた赤13の地点(赤丸)が明らかに前であること。

但し難しいのは、スローフォワードは投げた地点と受けた地点を基準にしていないという点です。問われているのは、あくまで【プレーヤーが前方にボールを投げる(player throws … the ball forward)】ことであって、投げた後のボールの軌跡=受けた地点は問われません(例えば明らかに後方へ投げたロングパスが、強風のため前方に飛んだとしてもスローフォワードにはならい)。

では、どこを基準とすればよいのでしょうか。
実は、現在スローフォワードは以下のよに定義されています。

=====

スローフォワード(Throw forward):プレーヤーが前方にボールを投げるか、または、パスする、すなわち、ボールをパスするプレーヤーの両腕が前方へ動いていることをいう。

Throw forward: When a player throws or passes the ball forward, i.e. if the arms of the player passing the ball move forward.

つまり、注目すべきはパスをした際の腕の方向です。

この場面で、赤10の【両腕が前方へ動いている】と判断されれば、スローフォワード、「前方に動いていない」と判断されればプレーオンということになります。

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レフリー及びアシスタントレフリーは、このパスをどのように判断したのか?
映像を見る限り、腕が前方に動いているように見えます。

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難しい判断となるスローフォワードは、大きな影響がなければすべてを吹く必要はないながらも、この場面では明治のプレーヤーが相手を掴むところまで行きました。
あくまで仮定の話ながら、仮にスローフォワードの疑いがまったくないパスであったらなら、タックルが成立した可能性もあったはず。

この試合ではTMOが採用されていたため、従来であればこういった点はTMOに諮られる場面ですが、この試合の場合は、グラウンディングの疑義に関してのみTMOが採用されるという特別ルールであったため(その理由は不明)、結果的にTMOに諮られることなくトライが認められました。