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《FKの場合、ボールを蹴る前でもチャージに出てもよい場合がある》

2021トップリーグ・プレーオフ トヨタ(白)v日野(赤)

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FKを得た日野(赤)10がボールを手にして蹴ろうとします(青丸)が、一歩前進した(黄丸)後にその場で前方を見つめて止まります(赤丸:止まっていることは、赤10の後方のプレーヤーの移動=緑線で確認できる)。

直後、相手白8(Kリード:元オールブラックスキャプテン)がボールを蹴る前の赤10の目の前に迫ります。するとレフリーは「まだまだ」と言いながらプレーを止めます(紫丸)。

さて、何が起きたのでしょうか? 

 

ここで赤10がFKのボールを蹴っていないのは事実ですが、FKの場合【相手チームは、キッカーがキックの動きを始めたらすぐに、チャージして、キッカーをタックルしてフリーキックが行われるのを阻止…してよい。(As soon as the kicker initiates movement to kick, the opposing team may charge and try to prevent the free-kick being taken by tackling the kick)】とされています。

 

つまり、赤10がボールを蹴る前であっても【動きを始めたら(initiates movement)】【すぐに、チャージ】してよいことになっており、写真2枚目の一歩(黄丸)の段階で相手の前進は許されているのです。

映像には、前進を始める白8の姿は写っていませんが、赤10が【キックの動き】を始める前(写真1枚目)では相手は前進していないと思われ(仮に前進していたのなら、赤10他、その他のプレーヤーが気づいて反応するはず)、【キックの動き】を始めた後(写真2枚目)に相手が前進を始めたと思われます(だからこそ、赤10はその場で前を見つめて戸惑い止まってしまった)

 

なお、白8はチャージが認められなかった後、右腕の肘を曲げながらFKのシグナルをしており、明らかにルールを知った上で相手の動きを見て飛び出したと思われます(一方、レフリーはキッカーばかりを見ていて一度も白8側を見ていなかった)。

 

もちろん、最終的な判定はレフリーに委任されることになりますが、映像を見る限り白8のチャージは正当であったと言える場面でした。